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SESのBPのみ営業に待っている未来

  • 投稿カテゴリー:SES / 営業

今回はSES営業の中でもよく思われていないBP営業について考察してみました。
そもそも、SES営業の中にもいくつか分類がありまして、

・自社エンジニアのみ営業
・自社エンジニアとBP営業
・BP営業のみ

と大まかに3つの種類に分けられます。
そして、今回は3つ目の「BP営業のみ」に焦点を当てています。
なので、今回の文章で出てくる“BP営業“は「BP営業のみを生業としているSES企業もしくは営業」という意味です。
自社エンジニアの営業しながらBP営業をしている企業や営業は含まれていません。

BP営業については色々な意見がありますが、正直私も昔はよく思っていませんでした。
自社のエンジニアがいる中でそこに対しての増員でBPさんを営業したり、同じ顧客の別領域でどうしても人が足りないから協力してくれという理由でBP営業する分には、まったくもって問題ないものと思っていますが、BP営業は社会的にも業界的にもメリットのある存在ではないのではないか?と思っていたからです。

ただ、最近BP営業ではないですが、それに近い業務を行ったことで少し視野が広がった点もあるので、それも含めてBP営業の未来について書いていきたいと思います。

そもそもSESのBP営業とは

そもそもSESでBP営業ってどういうこと?という方もいると思うので簡単に説明しますと、「自社にエンジニアを持たず協力会社のエンジニアのみを顧客に提案する営業」になります。いわゆる仲介業者の様なものですね。通常の仲介であれば仲介手数料をもらって終わり!となるのですが、SES業界は特殊で仲介してその人が稼働している限り仲介手数料をもらえるような仕組みになっています。

仲介する人を増やせば増やすほどストックが貯まっていきますので、元手がなかったり少数の会社や事業部には始めやすい商売になっています。

ただ、自社エンジニアがいなく指揮命令系統がちょっと良くないことになるので、契約てきにはほぼグレーというかもはやアウトという業態でもあります。
仲介といいつつ、どちらかというと手数料ビジネスに近いでしょう。ものすごく悪い言い方をすると、人材が欲しい会社と人材を提案したい会社の間に入って手数料だけもらうということですね。これだけ聞くとそんなのいらないじゃないか!と思われると思います。私も思っていました。ですが、案件側・人材側でリーチできない部分を補っている存在ともいえるわけですね。いわゆる商社みたいな。そういう意味では必要なのかもしれません。デジタル化により淘汰されていくかもしれませんが。

BP営業に存在価値はあるのか?

さて、そんなBP営業ですが、どんな価値があるのでしょうか?

正直なところ、BP営業は今後淘汰されていく業務だとは思っており大きな価値はないと思います。アサインナビさんやWhiteBoxやの様なサービスが普及し、全ての企業がデジタル化に舵を切れば明らかに不要になるでしょう。

しかし、SESというシステム開発に携わる仕事にも関わらず、システム上で成り立つようなドライな関係では成り立たないのもこの業界の特徴であります。業界というより、日本人の気質なのかもしれないですが。人間関係とか会社間の関係などを大切にする傾向にあります。そんな状況ですので、もちろん会社間・担当者間の相性もあります。変化や新しいことへの対応を嫌う人も多く既存のやり方、取引先から変えたくないということもあります。そういった部分に存在価値のヒントはありそうですね。

ここで価値があるのかないのか?を確定させるのは難しいですが、BP営業を使う側・営業側双方を体験したことのある私が両方の目線でメリットデメリットを書いていって考えたいと思います。

BP営業のメリット

【顧客目線】
・人材調達をお願いすればとにかくエンジニアを提案してくれる
・商流は深くなるかもしれないが新会社と契約する必要がない
・同じ人とやりとりが深まるためコミュニケーションコストが少なくて済む
・自社状況を理解して動いてくれる
・(しっかりした人であれば)トラブル時も何とかしてくれて代わりの提案をもらえる

【営業目線】
・自社エンジニアを抱えなくて済む
・BPのため無駄な社内調整等がない
・リソースは自分が開拓した分だけある

BP営業のデメリット

【顧客目線】
・商流深い提案が多くなる
・コントロールが効かない
・トラブルに繋がりやすい(コミュニケーションロスやすれ違い等々)
・多数の会社を挟むため単価が高くなりがち

【営業目線】
・年々商流制限が厳しく提案先が絞られる
・自社エンジニアではないのでコントロールが効かない
・商流を飛ばされる可能性がある
・顧客、BP間の板挟みにあう
・種々の調整が面倒
・伝書鳩になりがち
・案件、人材のマッチングが主業務となり、調整力やコミュニケーション力以外のスキルが身にずらい
・自社(もしくは自分)独自の強みが持てない

改めてBP営業の価値とは?

上記でメリット・デメリットを上げましたが、私の中で、BP営業の最大の価値とは「手続き・コミュニケーションコストの削減」であると確信しました。逆に、それ以上の価値の定義づけは難しいですが。。。中々差別化しずらい業界ではありますが、これを意識することで差別化ができるのでは?とも思います。

顧客の特性や性質、得意分野、狙っている所を把握してそれに見合ったBPとの関係性構築・開拓を行っていく。逆もまたしかりで、BP側の得意分野、狙っていきたいところ等をまとめておく。そして、スピーディで柔軟性のある対応が求められますが、これは両社への根回し、先回り対応、関係性が大事になってきます。

BP営業の場合は、BPはどこかから回ってくるので、いかに自分が間に入ることでスムーズに事が運ぶか?を両社に分かってもらう必要があります。

また、人を扱っているということもあり、急な対応も沢山でてきます。その時に事が起こってからではなく、事前に自分で考え、もしくは前例を基に先回りして対応できるかが大事になってくるでしょう。併せて、自分自身が面倒くさい人間と思われないことも大切です。それでは、コミュニケーションコストがかかることになってしまいますから。

BP営業に待ち受けている未来

中々強みを作りづらく、スキルもつけづらいと思っていたので、正直BP営業に未来はないと思っていましたが、そんなことはないのかもしれません。何も考えずに右から左をやっているだけではモチロンだめですが、「BP営業の価値とは?」で書いた項目を考えしっかり実践できる人は、バリューを作れるし他の会社や業種・業務でもうまく仕事をすることができるでしょう。

効率化が進むものの業務量も多い昨今、相手に負担を与えないというのは非常に重要なことなので、いかに相手に負担を与えないか?という意味でもコミュケーションコストの削減は非常に重要になってきます。

ただ、それはあくまで個人の未来であってBP営業という職種としての未来は明るくないと思います。上述したようにセキュリティの意識が強まり様々な規制が強化されていくのは自然の流れだと思います

その中で自社エンジニアを持たず指揮命令系統があやふやな契約というのは淘汰されていくでしょう。最終的には自社の体制を作った上で協力会社と合同で体制を作っていくことが大事です。

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