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小さな会社でシステムエンジニアを雇いたい、こんな時どうすれば?

ベンチャーとして起業して、最初は1人から始め、軌道に乗って少しずつ人を増やして、ちゃんとした会社へ。
現代では例えば楽天市場に出店するネット通販専門の会社だったりと、小さな事業を始めるチャンスは昔に比べて飛躍的に簡単になったと思います。

そうやって軌道に乗って大きくなってきた時に頭を悩ませるのが「会社にシステムエンジニアの人がいて欲しいけれど、どうすればいいか分からない」という問題です。

人を雇おうとしても、どの人が良い人なのか分からない。
外注でどこかの会社に依頼するにしても、どの会社がいいのか分からない。

そもそもシステムエンジニアとかIT関係って、高すぎる。本当にこんなにするものなの?

などなど、疑問が尽きないと思います。
ここではそんな「初めてのIT導入」における疑問について、解説したいと思います。

スタートアップの会社でのIT、システムエンジニアの位置付け

まだ会社としての方向を模索している段階でまず必要になってくるITシステムについては、「基幹システム」部分と「業務システム」部分とあると思います。

言葉の定義としては人による部分もあるかもしれませんが、業務を支える部分で必要になるシステムが「基幹システム」、業務そのもので必要になるのが「業務システム」だと思います。

「基幹システム」としては、例えば勤怠の管理、経費の管理、そういったバックオフィスの管理があると思います。
実はこれは「システム」と言っても、PCとExcelがあればできますし、会社が小さいうちは実際にそうやって管理している会社が大半だと思います。
インフラ面、つまりハードウェアであったり通信回線であったりといった部分も、シェアオフィスくらいまでは、「PCを買えばよいだけ」であったりします。

ところがこれが自前のオフィスともなれば、通信回線を準備しなければなりません。
加えて人も増えてくればセキュリティの問題もありますので、PCの管理、セキュリティソフトの管理、通信網の管理などで、インフラエンジニアからいわゆる「情報システム部」といった位置付けの専用要員が必要になってきます。
ちなみにPCのセットアップなどを専門とする業務を「キッティング」と呼んだりします。

「業務システム」であれば例えば、楽天市場に出店する通販専門の会社であれば、楽天市場が準備するシステムそのものが「業務システム」にあたります。
独自のサイトを持っているのであれば、そのCMS(コンテンツマネジメントシステム、編集更新をするためのシステム)も含めた部分が、業務システム相当です。

これを例えば会社独自のものにしたり、既存の業務を簡略化させるためであったり、あるいはスマホアプリのアイデアがあってそれを具現化したい場合なども、それぞれのシステムが必要になります。

こういった業務システムの場合は、システムエンジニアというよりもシステムそのものの導入の話になってきますので、発注する規模も大きくなるかもしれません。

社内にシステムエンジニアが欲しくなるシチュエーション

システム開発に精通した人であれば本コラムのような内容は必要としていないでしょうから、そういった事を全く知らず、でも会社が大きくなってそろそろ必要性を感じる、そんな方を対象に書きますが。

最初に出てくるのは、「PCのセットアップ」とか「通信回線の準備」とか「ちょっとしたサイトの編集」であったり、場合によっては「Excelをもっと上手く使いたい」とかそんな温度感かもしれません。

非常にざっくりした言い方をしてしまえば、「パソコンに詳しい人が1人会社にいればいいのに」という感覚が、システムエンジニアを欲しくなるまず最初の一歩目ではないでしょうか。

そして事実、多くの場合でこういった「会社の中では詳しい人」が、その実務を最初に任されると思います。
「システム部」といった一部署を形成するほどのものではありませんので、総務の人が兼任する事が多い気がします。売り上げが数十億円というそれなりの規模の会社でも、キッティングは総務の人が担当している事も、まだまだ多いものです。

しかし総務担当者がエンジニアまがいな担当をする会社は、いわゆるところの「ITリテラシーが低い」という状態で、ほとんどのIT関連業務を外注しています。
そしてこういった状態で一番まずいことは、外注する際の「基準が全く分からない」という事だと思います。

外注の際の問題点は後ほど別に述べますが、自社内にちょっとした作業をできる人さえいないという事は、例えば自社サイトのごく簡単な文字の差し替えであっても、いちいち外部の業者に依頼をかけねばならないのです。

これが例えば実際の店舗があって、急遽臨時閉店しているなどの場合、なるべく早く告知を出したいわけですが・・・それが外注先の営業時間外だったりしようものなら、もはや意味が無いほど遅くなってしまったりします。

システムの外注でよくハマってしまうもの

システムを外注する際にハマってしまう典型例は、上に書いたような「基準が全く分からない」という事による失敗です。

分からないなりになんとかしようという時、ひとまず相見積もりを取ったりして、金額と、内容を比べます。
当たり前ですが、より良い内容でより安い企業に発注をしたいのは、どんな取引でも同じです。

ところがここが皮肉なもので、口ばかりやたらと上手い営業がいる開発会社は、技術力が全然伴っていない、そんな事がザラにあるのです。
逆に良いエンジニアがいて良い営業が管理しているほど、うかつなことは言いません。
「それもやります、何でも対応します」なんて事を言ってしまえば後で困ったことになる事をちゃんと分かっていますから、決して安請負せず、自社のエンジニアが困らないような仕事の取り方をするのです。

結果として、見積もり段階ではとても素晴らしいように見えたはずのシステム開発が、大炎上し、かけた予算は大きく失われ、投資効果が著しく低くなってしまうのです。

では金額の高い、規模の大きいところに任せれば良いのだろう。
これも、システム開発がハマってしまう典型的な例の1つです。
上場しているような規模の大きい会社は、金額も相応に高いのです。しかし質も同じように高いかといえば、実はそうとも限りません。

会社の規模というのは単純に人が多い、リソースと売り上げが多いだけであって、実際に契約を結べば、開発にアサインされたのが数人、そんな規模です。
そしてここが多重下請け構造の闇でもありますが、規模が大きい会社は自社で開発せずに下にそのまま流していたりもするのです。

ですから、高い金額がそのまま優秀な技術者を揃えている事にはなりません。
結果として、上場企業だから、高い金額だから、という理由で決めたのに、出来上がるのは思っていたのと違ったり、妙に使えなかったりするシステムだったりするのです。

このようなシステムを外注する際の地雷を踏みぬかない為にも、社内にそれなりに詳しい人がいて、内容をよく精査してコントロールして欲しい。
その為に、システムエンジニアやそれに近い人を雇いたい、とまずは思うのです。

実際にどうやってシステムエンジニアを雇用・導入すればいい?

全く分からない中でシステムエンジニアを雇用するのは、これも非常に難しいものです。
どの人が良いのか分からない上に、人材の相場としては高めの技術者を雇用するのですから、簡単に行くはずがありません。

結果として、この段階でとてもよくあるのは、期間限定の業務委託でITコンサルタントを雇い、その人の協力の元、社内SEを雇うのです。

でもこれ、実は失敗するパターンでもあります。
なぜなら、ITコンサルタントもまたかなり様々なレベルで、ハッキリ言ってしまえば当たりも外れもある中で、業務委託契約を結んでしまうからなのです。

大抵は誰かの紹介などのツテがあってでしょうが、しかしシステムエンジニアよりも更に単価が高くなりがちなITコンサルタントを「雇用でもなく短期間だからいいや」と高給を払って業務委託契約してしまう事は、ITリテラシーがまだ低い会社にとっては非常に危険な事でもあります。
コンサルタントは経費を節約するのも手腕ですから、その中で予算の多くをコンサルタント自身が奪い、結局レベルの低い人材が集まってしまったりします。

雇用ではなく業務委託、SESという選択肢

コンサルタントは期間限定の業務委託だったから気楽に雇えたのと同じように、業務委託で最初の技術者を招き入れてしまえばよいのです。

その為に、業務委託では請負とは別に準委任というものがあり、その形でエンジニアを提供する形態をSESなどと言います。

個人相手と違い、SESの場合はSES企業がいます。
もし個人と業務委託すると、その個人が持っていない技術に関しては全く分かりません。
しかしSES企業から提供されるエンジニアであれば、分からない事であっても自社に戻って確認する、という事が可能なのです。

ですから、SES企業の営業担当者も含めれば、状況にあわせたかなり柔軟な対応もお願いできるのです。
ここが、SIすなわちシステムインテグレータと呼ばれる企業の強みであり、請負でもSESでも対応可能だったり、横の繋がりもあったり、かなり柔軟に体制を組めます。

不安がある場合は、複数のSES企業からエンジニアを入れれば、より間違いのない体制が構築できます。
その中で、自社エンジニアの雇用に向けて進むもよし、しかしSESを利用して柔軟な体制を築いてしまえば、もはや自社雇用する必要さえ感じないかもしれません。

SES企業を探すには、ここWhiteBoxのようなマッチングするサービスを使えば、見えない所で多重下請けに出されてしまう事もありません。
まだ成長途中の小さな会社の一歩目の事業であっても、相応に柔軟な小さめのSES企業と組めば、とても良い関係を築ける可能性があるのです。

自社内で様々なIT・システムをこなせるようになっていきたい、その第一歩を踏み出したいという成長中の企業の方は、是非SESによる導入も検討してみてください。

 

(※編集部注:本コラムは執筆者の個人の考えによるものです。当サイト・運営会社の見解ではありませんので、予めご了承ください。)

 

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