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火吹き案件はどこから来るのか?

エンジニアは、世代毎に得意とする技術が異ったり、システムだったりアプリだったり、仕事に対する価値観までが異なったりと、ここまで領域が広い職種は他にないのではないでしょうか。
ひと昔前までは、エンジニアは残業で稼ぐと言われていましたが、今はそんなことないですよね。年功序列ではなく、技術力で評価して昇給して欲しいと考える人が増えてきました。

エンジニアの仕事はプログラミングを使ったシステム開発からサーバーやネットワークの構築や運用、さらには社内の情報システムの管理、顧客との打ち合わせ、他部署との調整など、業務も多岐に渡ります。
これだけのことがあって、悩みがない人の方が珍しいとも言えるのではないかと思います。

今回は、そんなエンジニアが抱える多くの悩みの中でも、特にSIの業界のエンジニアが良く経験する「火吹き案件」についてお話ししたいと思います。

「火吹き案件」とは

「火吹き案件」とは、トラブルが生じていたり、期日に間に合わないことが目に見えてわかる状態だったりする状況で、対応に追われて残業が多くなってしまっているシステム開発案件のことを指す際に、しばしば使われる言葉です。

こういった場合、とにかく人をたくさん追加して切り抜けることが多く、まずはじっくり仕様書を確認して、説明を受けて・・・なんてやってる暇はありません。
すぐに「これやって」「あれやって」とタスクがポンポン飛んでくることがほとんどです。
そうしてタスクをこなしているうちになんとか落ち着いてきた・・・と思ったら、また次のプロジェクトにいくことになったり・・・

「俺は火消し屋かよ!」と言いたくなると思いますが、これではシステムの概要を掴むことも難しいですし、「なんとなく」で時間だけが過ぎてしまいます。
入った案件がたまたまならいいのですが、ほとんどの場合、所属している会社が変わらない限り、それが続くことになります。
(なぜ続くことになるのかは、下記をお読みください。)

「火吹き案件」はどこからくるのか

「火吹き案件」の要因となるものの大きなものは、もともとの納期が短いことや、要件が曖昧で詰め切れていないこと、もともと予算が無くメンバーが不足していること等が挙げられますが、そもそもビジネスサイド(コンサルレイヤー)による提案の際、実際にエンジニア経験のない、技術をわかっていない人同士でスケジュールを決めるので、現場との齟齬が生じるのは、もはや当然のことなのです。

コンサルタントや営業担当は、提案時に風呂敷を拡げ、「こんなこともできます」「あんなこともできます」と顧客に夢を持たせますが、その後の現実には目を向けず、現場の技術者にバトンタッチ!現場の方たちは、悲鳴をあげながら、必死に風呂敷を閉じていくのです。

また、そもそも下回りの仕事を専門にしている会社、わかりやすいところでいえば、テスト専門の会社は、既に進んでいる案件を営業担当が獲得してくるわけで、その案件が既に火を吹いている場合、もはや現場がどう頑張ろうが、火はそこにあるのです。

国や大企業のビッグプロジェクトにおいては、1年~3年かけて開発するプロジェクトが存在します。もちろん、その間の出来事を全て読めるわけはなく、それだけの長期プロジェクトの正確な見積もりなど、できるわけがありませんよね?
でも、営業担当はやるんです。見積もってしまうのです。

その結果、度重なる仕様変更、限られた予算によるメンバーの不足、要件が固まらず進まない開発・・・様々なことが重なり、納期が近づくにつれ、火を吹き燃え広がるのです。

SES会社は火を吹くと喜ぶ?

「火吹き案件」で苦しむ現場のマネージャーやエンジニアを余所目に、会社の決裁者たちは喜んでいることを、皆さんはご存知ですか?

もちろん現場の従業員を心配していることは事実でしょう。一方で、火を吹くと多くの人員が必要になるため、多くのエンジニアの受注を取ることができます。つまり、売上が立つわけです。これは喜ばずにはいられません。

ちょっと悪い言い方をしました。でも、事実ではあるのです。

まとめ

実際には火を吹く理由は色々あります。技術をわかってないプロマネがきてしまい、無理やり仕上げたボロボロのシステムに作り直しをかけられ・・・なんてこともあるでしょう。

ただ、ほとんどの場合は、ビジネスサイド(営業やコンサル、顧客の事業部門等々)がシステム開発を理解していないことに起因するものが多く、その煽りを受けるのは現場の技術者たちで、残業当然、休日返上の生活を強いられることも多くあるのです。

ビジネスサイドに生きる人は、良く心に留め、しっかり現場を見る意識を持ちましょう。

▼編集部便り

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