これはSES企業で働いている女性社員が出産と育児を経験していくお話です。
SES企業と言っても私はエンジニア職ではなく、営業職ではなく、バックオフィスを担当しています。
目次
出産・産休に関する制度が無かった企業
新しい職場に慣れてきたころ、妊娠が発覚しました。
それに伴い、会社から片道2時間のところに引っ越しました。
通勤は満員電車の為、座れないのが当たり前で、会社の最寄り駅に着くまでには何度か駅のホームで倒れたことがあります。
しかしそれでも、定期健診や急な体調不良もありながらも、周りの方のお陰でなんとか臨月まで無事に過ごすことが出来ました。
ですが私は、自分勝手な考えで、出産を機にこの会社を辞める予定でした。
そのことを会社で話しあった際に、とても柔軟に対応していただき、これを機に在宅勤務を設けるというお話をして頂きました。
今はコロナの影響で、在宅勤務をされている方は多いですがその当時社内で在宅勤務をされている方はいませんでした。
まだ社内で女性社員が出産をしていなかったので、至れり尽くせりの制度を作成してもらい、私は無事産休へと入れたのです。
この経験から、SES企業で働いていたり、ベンチャー企業で働いていて「出産時はどうなるの?産休は?産休後の働き方は?今の会社に規定が無い!!」となっても、そんなにすぐに慌てて辞めようとせず、いちど会社の方とじっくり話し合ってみることをおすすめします。辞めると決めるのはそれより後でも間に合います。
私の勤めるSES企業がたまたま優しかったのかもしれませんし、そう上手くはいかないかもしれません。しかし、成長していく企業は、それに伴って様々な制度が作られていきます。
会社にとって初めての経験であれば、そこで制度が作られます。その時に自分の状況を元に制度を作ってもらえれば、自分にとってはまさに自分に最適な制度なのです。
制度が元々無かった事がむしろ、最高の制度を生み出す事もあります。
産休に入ってから
産休中は、無事に生まれてきて欲しいの一心で過ごしていました。
そのときの私は、生まれることがゴールだと思っていたのです。
その先に待ち受けている育児の事はまったく考えていなかったことが、今から思えば不思議です。
今の時代SNSで色々な情報を知る事が出来ますから、妊娠中はずっと「陣痛 痛み」「陣痛 楽な方法」など、あくまで出産のことしか考えていませんでした。
そのことに頭がとらわれすぎた、と言いましょうか。
「母というものは、子供が生まれれば誰しもが当たり前に育児を出来る」という固定観念に支配されていました。
自分の母親が育児を当たり前にしていたからだとも思います。
その後、初産とは思えないスピード安産で出産しました。
よく「鼻からスイカ」とか例えられおりますが、あの痛みは表しようがなく痛く、私の歴代痛かったランキングで堂々1位に輝きました。
(不思議な事に出産して数年が経った今、あれほどまでに痛かった出産の痛み自体をすっかり忘れております。本当に不思議でなりません。)
いざ出産をすると、そこから一息つく間もなく、赤ちゃんとの新しい生活が始まりました。
小さい頃から保育士になるのが夢で、保育園で手伝っていたこともあるので、勝手に子育ては出来ると思っていましたが、現実はそんなに甘くはなかったことを、ここから思い知ります。
私が思い描いていたキラキラ育児とは程遠く、1日1日、「この子を生かす」という考えだけで過ごしておりました。
産後1か月間は睡眠不足のせいで、まったく記憶がありません(笑)
産後3か月の頃から、子供が夜もまとまって寝てくれるようになり、睡眠を一気にとれるようになりました。
旦那が仕事から帰ってくるまで、言葉を理解しない赤子と二人きり、、、これが私に取っては一番つらかったです。
毎日毎日市の支援センターに通い、ママ友と育児の情報交換をしたり、悩みを聞いてもらっていました。今でもその当時からのママ友とは交流があるので、つくづく行って良かったと思っています。
保活問題あらわる
一難去ってまた一難な育児を繰り返し、子供も1歳になろうとしていた矢先、保活問題が出現しました。
私の住んでいる地域は保育園激戦区で、他のママ友はみんな夏から保育園見学に行っている中、私は悠長にぎりぎりまで過ごしてしまい、締め切りぎりぎりに数件しか見学に行きませんでした。
そんな中、なんとか保育園の採用結果が届き、無事に子供を保育園に入れることが出来ました。
保育園に入れてからというもの、治ってはまた病気の繰り返しに、保育園に入れたことを後悔する日々。
元々好き嫌いが激しい我が子は、給食を全く食べず、園長先生自ら付きっ切りで給食を与えてくれました。
「1年後にはおかわりもしてますから安心して下さい」と言われましたが、その当時の私は「こんなに食べてないのにおかわりなんて無理だよ。無理矢理にでも子供になんでも食べさせるべきだったのではないか」と心の中で葛藤しておりました。
そして今では、すっかりおかわりして帰ってくる我が子・・・先生には頭が上がりません。
子供の成長は凄まじく、いつの間にか走るようになり、自分の名前を言えるようになり、病気をすることもほとんどなくなりました。
毎日何々して遊んだと楽しそうに話す我が子を見て、保育園に入れて良かったと思うようになりました。
試行錯誤を繰り返す育児
育児は、悩みが解決したと思ったらまた新しい悩みが、と、悩みが尽きません。
有難い事に、今の会社は育児にとても協力的で、本当に助かっております。子供優先で仕事が出来る環境に感謝しています。
まだ歴史がそれほどあるわけではない企業で、出産や育児の制度が元々充実していたわけではなかった中でも、ちゃんと状況に応じて変わってくれたことが、大きかったと思います。
思えば会社そのものにしても、次々に起こる色々な変化にいかに柔軟に対応していくか、その時その時の状況に合わせて対応できてこそ優れた対応ができるのでしょうし、これについては育児も全く同じだと思います。
しかし育てていると、この子にとって私はいい母親なのだろうかと、ふと考えることがあります。
きっとこの先もずっと、この問いは出続けてきて、答えは出ないと思います。
そんな時、「ママ好きー」と言ってくる子供を見て、「育児に正解はない、この子が幸せならそれでいいじゃないか」と思うようにしました。
会社の仕事も、何が正解か考えた時に、働いているみんなが幸せになれるなら、それはひとつの正解なのかもしれません。
私の勤める企業はSES企業ですから、自社のエンジニアの方も、パートナー企業の方までも、みんなが幸せを感じられる事は、とても重要な事だと思います。
もちろん、親として我が子の幸せは、何よりも強く望んでいます。
答えが出なくても。色んな事に悩んでも。幸せになってくれれば、それで良かったと思えます。
仕事と育児の両方をこなしていくことは、思ったよりも苦労する事もあります。それでも前向きに、仕事も育児もしていけたらいいな、と思っています。
(※編集部注:本コラムは執筆者の個人の考えによるものです。当サイト・運営会社の見解ではありませんので、予めご了承ください。)
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