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コロナ渦の中で

今年の状況を例年と一変させてしまった、新型コロナウイルス感染問題。
過去に例の無いこの問題は、誰もが手探りで様子を見ながら、しかし何とか正しい手を打たなければならないと、社会を挙げて、それどころか全世界において、苦しみ、戦っています。

過去様々な不況や災害がありましたが、経済的問題と医学的問題がここまで大きく、かつ世界中で起きたことは、これまでの経験からあまりにかけ離れた新しい事態であり、誰もがまさに「暗中模索」を続けています。

新しい生活様式、New Normal

新型コロナウイルス感染問題は現在では新たなフェーズ、withコロナの新しい生活様式(New Normal)に入ったと言われています。

しかし東京都の感染者数も連日50人を超え、ひょっとするとここから第二波が来てしまうのか、懸念が高まっています。

中でも怖いニュースが、中国・河北省安新県において再度ロックダウンが発生したことです。
河北省安新県の気温・湿度を見ると日本とさほど大差は無いようですから、その状況下で再度流行の兆しを見せたということは、日本も放っておけば再び感染が拡大する恐れがあるようです。

中国は感染拡大が初めて起きた国ですが、共産主義国家らしく抑え込みはとても強く、素早くかなり強硬に抑え込んだため、拡大は一定に防げた部分があり、常に対策で先行しています。
その中国において再度ロックダウン、という事態は、なかなか怖いものがあります。

しかし恐れるばかりでひたすら封鎖してしまえば、経済が崩壊し、それはそれで恐ろしい結果を招きます。
あくまでもこのコロナ渦の中で、バランスを取らねばならないのです。

コロナ禍ではなく、コロナ渦

世の中ではこの未曾有の災害を「コロナ禍」と呼ぶことが一般的ですが、「禍(わざわい)」という単語の持つ響きは、まがまがしさという意味で感情的にはふさわしく思いますが、他方、どこか「人知を超えた大きな力を恐れる」といった要素が強い気がします。

それは言ってみれば「自分は被害者だ!」という意識ばかりを強めるものでもありますから、そういった「ただ被害者である」という意識でいるよりは、自分でなんとか乗り切っていく、そういった希望も見えるような単語のほうが良いとは思いませんか?

コロナ問題は、医学的リスクだけではなく経済的リスクもあり、そしてその経済がどういった連鎖的影響を起こしていくか、あるいは経済のために自粛などを控えて医学的リスクがまた上がっていくのか、さらには医学的リスクが高まった中での働き方はどうあるべきかなどと、まったく違った軸の問題が次々に巻き起こります。

こういった、1つならず複数の問題が相互に干渉しながら巻き起こる姿は、まさに「渦」そのものです。
コロナによって巻き起こった渦、すなわち「コロナ渦」の中に、私たちはいま存在しているのです。

コロナ渦の中で、まずは耐え抜く

この未曾有の渦に巻き込まれた私たちは、まずは何よりも倒れないように耐えねばなりません。
医学的リスクも、経済的リスクも、まずは「最悪の事態を避ける」という事から考えれば、進むべき道はそう難しくはないかもしれません。

もちろん医学と経済というまったく別個の問題が絡んでいる時点で簡単ではないのですが、それでもそれぞれの最善を模索するよりは「最悪を避ける、まずは耐える」という考え方は、少しだけ気持ちと時間の余裕を生む気がします。

その上で、この渦を乗り切っていく方法を探していかねばなりません。

人類がここまで生態系の頂点に君臨するに至った理由は、何でしょうか?
知能が発達したこと?二足歩行で道具を使えたこと?
もちろんそれらはその通りだと思いますが、大事な要素として「ヒトは高度な群れを形成する生き物である」という事があるのではないでしょうか。

どれほど知能があろうとも、道具を扱えようとも、群れを形成する、ひいては社会を作り上げる気質が無ければ、こうまで発展していないと思います。
そして経済活動はまさにその「群れとしての行動」の極致であり、その中の塊として、会社組織という名の群れもまたあるのです。

会社組織、社会という群れでコロナ渦に立ち向かう

皮肉なことにウイルスによる感染症は、この群れる気質があるからこそ感染が拡大します。
もし各々が単独行動しかしなければ感染はしにくいので、群れという集団行動に対しては猛烈な牙をむきます。

しかしそれでもなお、人類は群れ、組織があるからこそ強いのです。
発展を遂げた科学技術は、リモートワークという働き方も実現していて、物理的距離は離れているにも関わらず、すぐ隣に一緒にいるかのような行動も可能にしています。

リモートワークにはしづらい仕事も、確かに存在します。
しかし、リモートワークが可能な人がリモートワークになる事によって、リモートワークになれない人にとっても物理的接触は減ります。
また、会社組織ひいては社会という集合体から見れば、リモートワークになれない人が万が一体調不良などあれば、リモートワークをしている人がかわりに出ていける、そういった「選手交代」も可能になるのです。

コロナ渦でのリモートワークが進むにつれ、リモートワークをできる人とできない人の格差が問題にもなってきていますが、それぞれが決して自分のためだけになっているわけではなく、それぞれの人がいるからこそ会社が成立し、それぞれの会社があるからこそ社会も成立するのです。

そうして、リモートワークをしている人もそうでない人も、いわばガッチリとスクラムを組んで、コロナの渦に立ち向かっていってこそ、この強烈な渦に負けないだけの力を得ることができます。

コロナの渦を越えて

このコロナ渦は、様々なものを変えていきます。
気象における「渦」は台風ですが、台風による大雨や洪水といった災害は、それまで栄養が届かなかった部分にそれを運んだりと、新しい大地に芽が育む下地を作る、といった要素もあります。

今回のコロナ渦による経済への影響は非常に大きく、力尽きてしまう企業・サービスも既に出てきています。
この連鎖がどこまで続くか今はまだ見えませんが、もっと大きな連鎖となって、大きな変化となるのかもしれません。

しかしその変化は、渦を越えてさえしまえば、新しい世界が始まる一歩目でもあるのです。
過剰であったサービスが淘汰され、そこに割かれていた投資や人員が他の新しいサービスに向かう、など。

既に実際の店舗からオンライン店舗、ECサイトへと急激に軸足は移っています。
これによって街中は寂しくなってしまうかもしれませんが、それは逆に、その空いたスペースで新しいビジネスを始めるチャンスが出てくるという事でもあります。

コロナ渦後のシステム開発

システム開発においても、コロナ渦が落ち着いた後は、違った意味での渦、再編していく為の渦が巻き起こってくると思います。

新しいサービスがあれば、新しいシステムが必要になります。
現在の社会において、ビジネスがシステム一切抜きで成り立つことはほとんどありませんから、多かれ少なかれシステムの需要が存在します。

様々な産業の構造がコロナ渦によって一度壊れ、しかしもう一度組み上げていこうという時、必ずやシステム開発の大きな需要が起きるのです。

今のコロナ渦で仕事が無くなってしまった、そんな方も含めて、仕事というものを見直す際に、システムエンジニアという方向を検討してみるのも良いかもしれません。
コロナ渦が猛威を振るっている現在は需要が一時的に落ち込んでしまい、新人エンジニアの活躍できる場所は乏しくなっていますが、再編時には必ず様々なチャンスがあります。

その時を見据えて、コロナ渦の中ではじっと耐えながら、技術力を磨いておくなどした人が、再編時のチャンスを一手に物にするのでしょう。
待機などが発生したり、あるいはリモートワークで時間が取れるなりした中で、どれだけ未来に繋がる行動・努力をできたかが、未来において大きな違いになります。

「コロナ禍だ」とただ嘆くのではなく、「このコロナ渦を耐えて乗り切る!」と強い意志で、前へ。

そうして人類は、この未曾有のコロナ渦を乗り越えていくのだと思います。

 

(※編集部注:本コラムは執筆者の個人の考えによるものです。当サイト・運営会社の見解ではありませんので、予めご了承ください。)

 

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